2022年度 勉強会

第1回 2022年2月8日 テーマ『相続税の節税対策として銀行借入により購入した収益不動産の評価額及び評価方法』について争われた事例の検討(R2.6.24東京高裁判決 控訴棄却(上告)、原判決R1.8.27東京地裁)

今回は、『被相続人が、相続税の節税対策として銀行借入により購入した収益不動産の評価額及び評価方法』について争われた事例を検討いたしました。

確かに、相続税の節税対策として銀行借入による収益不動産の購入は、不動産実務上も日常的に行われております。しかし、節税目的とは別に純粋に投資目的で銀行借入による収益不動産を購入した方が、その後、たまたま相続が発生するというケースもあります。

これら、目的に関係なく納税者側が行った原則評価額(路線価評価)が否認される場合があります。これをどう捉えればいいのか。

2022年2月現在、最高裁で争われており、この裁判の結果が一つのモデルケースとなると思われます。

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第2回 2022年4月19日 テーマ『借地条件変更承諾料について更地価格の6%とするのが相当であるとした事例(給油所⇒賃貸用の自転車販売店舗)』の検討(H30.1.12決定 大阪地裁大10民事部)

今回は、『借地条件変更承諾料について更地価格の6%とするのが相当であるとした借地非訟事件』について検討いたしました。特に本件では、関東地方と関西地方の借地に関する実情の違い(地域性)が考慮されたことが特徴的でした。

 

<今回の主な論点>

  • 各手続きの整理(借地条件変更承諾料と増改築許可の関係)について
  • 財産上の給付(・借地条件変更承諾料・増改築承諾料)について
  • 借地権取引及び借非訟事件の地域性について
  • 本事案における条件変更承諾料が更地価格の6%であることについて

なお、借地に関する事案については、不動産実務上難しいと感じる方が多いと思われます。そこで、今回と次回で、借地に関する事案をとりあげることにいたしました。

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第3回 2022年7月19日 テーマ『賃借人の賃貸人に対する借地の更新料支払義務と本件土地に係る相当な更新料の額について争われた事例』の検討(東京地裁 H30.2.28判決 一部認容 H28(ワ)第3362号)

今回は、『いわゆる借地の更新料支払義務と当該更新料の額』について、裁判例を検討いたしました。

一般的に、そもそも借地人の地主に対する更新料支払義務は"ない"のではないか、と認識されています。これは、昭和51年10月1日最高裁判決に基づいたものであります。しかしながら、本事案では、借地人の地主に対する更新料支払義務は"ある"との判決となりました。

 

<今回の主な論点>

  • 被告(賃借人)の原告(賃貸人)らに対する更新料支払義務の存否について
    • そもそも借地人の地主に対する更新料支払義務はないのではないか
    • 支払義務があるとすれば、どういう場合なのか
  • 本件土地に係る相当な更新料の額について
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第4回 2022年9月20日 テーマ『相続財産の遺留分を確定する際に、使用借権が付着した土地2物件を含む不動産の評価が争点となった裁判例』の検討(東京地裁 R2.7.20判決 H30(ワ)第26437号)

今回は、『使用借権の付着した土地の評価』について、裁判例を検討いたしました。

使用貸借を考えるうえで、その難しさのひとつとして以下のことがあると、アドバイスをいただきました。

民法593条では「使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還することを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。」とされている。

しかし、無償使用であれば、「返還約束」を認定することなく、使用貸借であるといわれることも少なくありません。例えば、親の土地の上に子が家を建てたとして、もちろん賃料は払いません。そして、この土地には使用借権の負担があるといわれることがあります。ではこの場合、子は将来親に土地を返還するのでしょうか。むしろ、親がなくなったら土地を相続するのが前提なのではないでしょうか。つまり、返還約束なんてない。無償使用には、使用貸借に基づくものと、情誼に基づくものとがある、と考えることができそうです。

 

<今回の主な論点>

  • 使用借権の意義について
    • 意義
    • 借地権との相違
  • 使用借権が付着した土地の評価方法について
    • 不動産競売の場合
    • 相続税等評価の場合
    • 公共用地の取得に伴う損失補償の場合
    • 不動産鑑定等の場合
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第5回 2022年11月15日 テーマ『鉄道騒音により利用価値が著しく低下している宅地に該当するか否かについて争われた裁決事例』の検討(大裁(諸)R元第58号 R2.6.2裁決 原処分全部取消し)

今回は、国税庁のタックスアンサーに例示されている、『利用価値が著しく低下している宅地の評価』についてとりあげました。その中で今回は、『鉄道騒音により利用価値が著しく低下している宅地に該当するか否かについて争われた裁決事例』について検討いたしました。

本件は、納税者側の主張が認められた事例です。また、騒音(鉄道)に関する公的基準などについては、普段ほとんど触れることがありませんので、この機会にインプットできればいいですね。

 

 

<今回の主な論点>

  • 法令解釈の確認について
    • 相続税法第22条
    • 財産評価基本通達1《評価の原則》の(3)
    • 国税庁タックスアンサー
  • 騒音(鉄道)に関する公的基準について
    • 騒音に関する環境基準
    • 在来鉄道騒音指針
    • 新幹線騒音基準 など
  • 騒音等を考慮することに関する、相続税評価と固定資産税評価との異同について
裁決書_大裁(諸)令元第58号R2.6.2.pdf
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★2022.11.15勉強会補助レジュメ_final.pdf
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