菊地の心に今も残っている失敗例

今でも思い出す過去の失敗例をあえてこちらに記し、過去の失敗を繰り返さない、また、真摯な対応をしていきたいと思います。
皆様のご参考になれば幸いです。

【売買での失敗例】
家が傾いていたことが購入後に判明

依頼の概要

お得意様のご紹介のお客様からのリクエスト

  • 予算○○円内で家族お二人の住まい
  • 戸建て住宅をご希望

経緯

複数の候補物件を内見したのち、お客様の気に入った物件が見つかり無事購入できた。

しかし、暫く経ってからお客様からお電話があり「引越ししたところ、どうやら家が傾いているようなので、見に来てほしいとのこと。

慌てて現地へ出向き確認したところ、家の一部(奥側)が傾いているようで、ビー玉を置いたところゴロゴロと奥へ転がり始めた。

この物件は購入前に2回内見したのだが、内見時の室内はとても綺麗で整理整頓されていて好印象であった。お客様も新生活がイメージできる様子で購入へとお話しが進んだ。

ただし、振り返れば、室内は整理整頓されていたものの、荷物が多く特に傾いていた部分には大きな家具等が置かれていたため、内見時には私もお客様も傾きには気付かなかった。

 

その後の対応

  • まず、売主側業者さんへ現状を報告し売主さんに現地確認を願う。
  • 専門業者に依頼し傾きの程度等の調査を依頼。一定以上の傾斜が判明。
  • 専門業者さんの調査結果をもとに、売主さん側と対応を協議。
  • 売主さん側が物件の瑕疵を認めてくださる。
  • 専門業者が見積もった傾斜補修工事費用を解決金として売主さんから買主さんへ支払いを行うことで合意。
  • 解決金の支払いと受領。

反省点として次のようなことがあげられます

  • 基本に立ち返り、物件資料と現地との照合確認は納得いくまで行うこと。
  • 特に水平、方位などについては、スマホでも確認できるので必ず照合すること。
  • また、造成地の場合、地盤は盛土なのか切土なのかを過去の資料等を調査すること。

【不動産鑑定評価での失敗例】 
財産評価基本通達20-2
「地積規模の大きな宅地」の一部要件を満たしていなかった

依頼の概要

市街化調整区域内に存する大規模な土地について、相続税算出のための参考資料として不動産鑑定評価を行ってほしい。

経緯

  • 対象不動産は市街化調整区域内に存するものの、当該自治体で調査したところ、いわゆる線引き前宅地ということで、土地の区画割り、建物の建築が可能であることが判明した。
  • 大規模な土地の評価については、2018年1月1日以降の相続等から、それまでの旧24-4≪広大地の評価≫が廃止され、20-2≪地積規模の大きな宅地≫が適用されることになった。
  • 旧24-4≪広大地の評価≫と20-2≪地積規模の大きな宅地≫は、趣旨は同じである。趣旨:戸建住宅用地として分割分譲する場合に発生する減価(公共公益的施設用地の負担など)を評価額に反映させること。また、これは市街化調整区域内の土地についても適用が可能である。
  • しかし、20-2≪地積規模の大きな宅地≫の適用では、市街化調整区域内の土地について適用が可能な区域が限定されていた。具体的には、都市計画法第34条第10号又は11号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域と定められている。
  • 本件対象地について、土地を区画割し戸建分譲することを想定した評価を行い鑑定評価書をご依頼者へ提出した。
  • 提出後、あらためて本件対象地について、都市計画法第34条第10号又は11号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域か否かを確認したところ、当該自治体では同10号又は11号の区域はないとのことであった。

その後の対応

  • お客様の顧問税理士さんが、20-2≪地積規模の大きな宅地≫により算定した価格もしくは弊社の不動産鑑定評価額どちらを採用するかは不明であった。
  • しかし、税理士さんが20-2≪地積規模の大きな宅地≫により算定してしまう可能性もあるため、国税庁の電話相談センターへ電話し事情を説明しアドバイスを求めた。そうしたところ、相談センターの方は「施行されたばかりで細かい都市計画法第34条第10号又は11号の規定までわからないので判断できない」との回答であった。
  • その旨を、本件の相続に関わった弁護士さん、税理士さんへお話し、もし相続税の申告について本件に関わる点について否認・修正要求された場合には相応の責任を果たす用意があることをお伝えした。

反省点

  • まったくお恥ずかしい話だが、条文は細部(参照先も含む)まできちんと読み内容を理解把握すること。